Ema Rie Works & Philosophy
エマ理永 そのワークと核をなすもの
2001 RESONANCE OR EROSION (collection show)
in collaboration with SINGO HARADA GA Digital Graphics Cyberware 三次元人体計測スキャナーシステム
共鳴 or 侵食
A size 38 dress - - - - you fit yourself into it as though it were a sin, if you could not. The Hyper Couture Declaration From Uniformity to Diversity The 20th Century's technology gave rise to mass production, forcing people into a uniform mold. This is a leader in technology that envisions the 21st Century.
9号のドレスにあなたは自分の身体を押し込めるそうじゃないと罪であるかのように。
ハイパー・クチュール宣言
均一性から多様性へ
20世紀のテクノロジーは大量生産を産み人間を型にはめてきた。
これは、21世紀のビジョンを持ったテクノロジーの先駆けである。
The body is not symmetrical.
Toile(prototype modelling equipment)
Created with 156polygons
身体は左右対称ではない
156のポリゴンで創られたトワル
The cloth as polyhedron
多面体としての服
ハイパークチュール宣言
20世紀のテクノロジーは大量生産を産み出し、型にはまった物に、私たちは自分自身を合わせてきた。
創り出した機械に合わせ、そのスピードに自分の時間を合わせ、
コンピュータの頭脳を合わせ、
既製の服に自分の身体を押し込める。
理想の形、理想の頭脳という言葉に惑わされながら・・・・・
人間の身体が最も自然であるのは、正確な左右対称ではないということだ。
今回のショーでは、その人特有の身体の、いわゆる歪みといわれている左右非対称をそのまま服をして創りあげた。
服と女性の身体が織りなすそのうつくしさ、かわいさ。
20世紀は人が創ったものに無理矢理自分の身体をあわせた特異な時代だったのかもしれない。
19世紀までは、ひとは自分の身体に服を合わせてきたのだから。
身体を15秒で立体として計測し、三次元(x,y,z軸)で認識、70万個のポリゴンで視覚化するということは、服創りの新しい可能性を感じさせる。
進化したテクノロジーがどれだけ自然に迫れるのか?
テクノロジーとは何であるのか?
共鳴が侵食か?
それは、私たちのビジョンのあり方にかかわってくる。
個性と多様性。多様性と普遍性。
個性と共通性を相反するものととらえ、ある時は声高に個性と訴え、
ある時はみんな平等だと、普遍性のあるものがよいと叫ぶ。
そのパラドックス。
なぜなら、それを相反するもの、敵対するものと、とらえていたから。
それらは、相反するものでも、敵対するものでもなく、共にあるもの含有しあうものなのだ。
人は人間であるという共通性を持ち、生物という意味では、あらゆる生き物と共通性がある。
そして、また、人は多様なサイズの身体を持ち、人種、生活環境によって確かに違った考え方を持っている。
それは、歴史が生んだ必然性だ。
それを認めることによって、なおそこに共通性、普遍性を見い出すこと。
どのサイズの女性も、身体の歪みとされているものも美しい。
私はかけがえのない個々の女性たちの内面のオーラを引き出したい。
エマ理永
多面体としての服
プリンセスライン
いわゆる服のプリンセスラインは曲面を含む7つの面で形を形成することになる。
その結果、身体の凸凹を形成する多面体の面を7つのするということは、胸の上下のくぼみを無視することに
なり、ウェストからヒップへのカーブは女性のもつ実際のカーブより小さなカーブしか描けない。
つまり、より平らな形になることが要求される。それが、曲面を少ない面で、構成するときの臨界点である。
クールカッティング
カッティングは、その少ない数の面で、どこまで理想の形に迫れるかである。
それぞれの女性の身体の上に単純化された最も美しい曲面を含む多面体を描き、面のエッジを決める。
それがクールカッティングだ。